お子さんにマッチする不登校支援はどれ?

目次
フリースクール・訪問支援・オンライン支援の違いと選び方
「不登校支援」と一口にいっても、実際の支援形態というは様々です。
フリースクール、訪問支援、オンラインスクール。さらに同じフリースクールでも、集団活動が中心の支援もあれば、個別対応を重視する支援もあります。
そのため、支援を探すときに大切なのは、
今のお子さんに“必要”な支援はどれかを見極めることです。
この記事では、不登校支援の代表的なタイプを整理しながら、
それぞれのメリット・デメリット・どんな状況に合いやすいかをまとめます。
不登校支援にはどんなタイプがある?
不登校支援には、主に次のような形態があります。
- フリースクール(通所型)
- フリースクール(全寮型)
- 訪問支援
- オンラインスクール・ICT型支援
それぞれの代表的な特徴は次の通り。
フリースクール(通所型)
学校の代わりに通う場所になります。義務教育期間を、学校以外でどう過ごすかというテーマで捉えるとイメージがしやすいでしょう。
ある意味で、学校教育とは違う路線である支援が多く、スクールによって支援内容に大きな違いがあることが特徴です。
フリースクール(全寮型)
不登校という状況を生活/日常単位で包括に捉え、根本的な解決を目指す場所です。
学校の代わりというよりも、生活を立て直すための第二の家庭というイメージが近いでしょう。
全国的にメジャーなタイプではありませんが、テレビに取り上げられるなど、今注目の支援形態です。
訪問支援
サポーターが家庭に来て関わる支援です。
不登校の子どもは「通う」ことに抵抗感を持つタイプも多いため、そのハードルを取り払える支援形態と言えるでしょう。
学力の補完を目的とした、不登校向けの家庭教師がこれにあたりますが、ココロノトントンのように不登校という問題に直接アプローチする支援も含まれます。
オンラインスクール・ICT型支援
オンライン教材を利用しての学習の補完や、メタバースを使用した仮想的な場を提供する支援です。
オンラインという性質上、利用のハードルが最も低い支援と言えるでしょう。
学力補完をテーマに、他の支援と併用する傾向が見受けられます。その他親に向けたオンラインコーチングに特化した支援も存在します。
フリースクール(通所型)
通所型フリースクールといっても、実際にはかなり幅があります。
支援形態が集団or個別か。支援方針がスケジュール型or主体性型か。
いずれのスクールもこの“形態×方針”で捉えてみると分かりやすいでしょう。
形態①集団行動
最も一般的なタイプです。集団行動が、子どもにとって好影響だと考えるスクールです。
学校同様に集団生活でありながら、取り組むテーマが主要5教科以外であったり、子どもの「楽しい」を重視する傾向にあります。
メリット
- 家庭以外の活動場所ができる
- 規則正しい生活を期待できる
- 交友関係の構築を期待できる
デメリット
- 集団というハードルから、そもそも利用のハードルが高い
- 「楽しい」ばかりだと、世間から遅れをとってしまう。
- 利用圏内にスクールがあるか個人差がある
マッチしやすい状況
- 学校という特定の環境に拒否感が強いケース。社会性を養う必要があるケース。
形態②個別対応
少人数対応や個別対応を重視し、本人のペースに合わせて関わるスクールです。
別室登校や個別塾というイメージが近いでしょう。
(実際に学習塾の系列であるケースも少なくありません)
メリット
- 配慮を受けやすい
- 利用のハードルが比較的低め
- 学習の補完として機能しやすい
デメリット
- 社会性を養う機会が乏しい
- 次の段階に進みにくい場合がある
- 継続のためのモチベーションが生まれにくい
マッチしやすい状況
- 学習の補完を重視したいケース。家から出る機会の確保を最優先に捉え、その他はひとまず急がないケース。
方針①スケジュールが決まっているタイプ
時間割やプログラムのタイムスケジュールがあり、それを全うすることがテーマのスクールです。
スケジュールがあると言っても、学校に比べると優しい内容であることが一般的です。
メリット
- スケジュールをこなす力が養われる
- 学校生活から離れすぎない
- 活動に伴う充実感が高い
デメリット
- スケジュールへの拒否感が障壁になる
- 波に乗るまでが大変
- 本人にそれなりのやる気が必要
マッチしやすい状況
- 学校以外の環境でも社会性を養ってもらいたいケース。学校からの遅れを広げたくないケース。
方針②主体性重視で活動内容自由なタイプ
創作、ゲーム、雑談など、自由度の高い活動を重視するタイプです。
「何をしてもよい」と、単に居場所になることに徹するという支援もあります。
メリット
- 拒否感に繋がる要素が少ない
- 子どもが安心できる環境を確保できる
- 得意を突出させる可能性がある
デメリット
- 学業や進路への接続が弱い
- 居心地の良さが裏目に出て停滞を招く可能性がある
- 将来設計について支援差が激しい
マッチしやすい状況
- とにかく家以外で過ごす時間を作ってあげたいというケース。特定分野での才能に期待ができるケース。
フリースクール(全寮型)
同じくフリースクールでも、全寮型は通所型とは発想が大きく異なります。
「学校の時間に相当する日中だけ支援する」のではなく、全寮型は生活そのものを立て直すことに重きを置く支援です。
ここでは立地に着目をして、都市型と山村型に分けて見てみましょう。
3-1. 都市型
都市部にあることで交通の便が良く、スクールに所属しながら在籍校への復帰を目指すことが出来ます。
また、医療機関や通信制高校、アルバイト、外部資源ともつながりやすいのが特徴です。
生活環境を実生活と大きく乖離させないことで、家庭での再スタートもスムーズな傾向にあります。
メリット
- 包括的な支援のため根本改善が見込める
- 短期間での改善が期待できる
- 現実的な環境で改善に向かうことができる
デメリット
- 該当するスクールがごくわずか
- 需要が高く、時期によっては空きがない
- 生活費や立地による経費も必要で、一見すると高額
マッチしやすい状況
- 解決に時間をかけたくないケース。家庭内では見通しが立たないケース。私立学校への復学を希望するケース。
3-2. 山村型
自然環境の中で共同生活をしながら、生活習慣や労働、体験活動を通じて回復を図ります。
電子機器デトックスを実施するなど、あえて非現実的な環境のなかでリセットがテーマである傾向にあります。
メリット
- 環境を大きく変えることで流れを断ち切りやすい
- 子どもらしい生活を期待できる
- デジタル刺激やストレスから距離を置きやすい
デメリット
- 進学・学習・都市的進路との接続は施設差が大きい
- 自宅での生活とギャップがある(非現実感)
- 立地上見学のハードルが高い
マッチしやすい状況
- 電子機器や悪影響な交友関係を断ち切りたいケース。学力や進路を優先せずに、自然の中でのびのびと回復してほしいケース。
訪問支援
訪問支援は、支援者が家庭に入り、本人との関係づくりや学習支援、生活支援を行う形です。
通所のハードルがないことで、利用のハードルが比較的低めであることが特徴です。
主に勉強重視の家庭教師型と、不登校改善重視の不登校克服型の2タイプがあります。
4-1. 家庭教師型
主に学習支援を中心に、自宅で勉強を見るタイプです。
勉強不安の克服をきっかけに生活や自信が戻ることもあります。
在籍校への復帰よりも、進学という契機がフォーカスされる傾向にあります。
メリット
- 自宅で受けられるためハードルが低い
- 個別対応で学力を固められる
- 受験や進学の契機を後押しする
デメリット
- アプローチの範囲が限定的
- 生活ルーティンへの影響が少ない
- 進学という契機まで長期戦が見込まれる
マッチしやすい状況
- 集団生活の有無よりも学習の遅れが気になるケース。進学を転機にすると割り切ったケース。
4-2. 不登校克服型
不登校そのものの改善や再接続を意識して関わる訪問支援です。
学習支援の他、保護者へのコーチングがあるのが特徴です。
心を許せる存在が、家庭に来てくれるというイメージが近いでしょう。
メリット
- 親が自信を持って子どもと向き合える
- 現状に対して的確かつ客観的なアドバイスを受けられる
- 利用のハードルが低い
デメリット
- 結果を求めすぎてしまう
- 選択肢が多くどこの支援が良いか迷う
- 家庭側にも一定の協力や継続姿勢が必要
マッチしやすい状況
- 不登校になって日が浅いケース。家庭内で改善を期待したいケース。不登校に何かしら手を打ちたいケース。
オンラインスクール
オンラインスクールやICT型支援は、パソコンやタブレットを通じて学習やコミュニケーションを行う支援です。
近年は選択肢が増え、自宅で取り組める支援として注目されています。
メリット
- 利用のハードルが圧倒的に低い
- どこでも利用ができる
デメリット
- 現状を変えるきっかけになりづらい
- 問題に切り込むことが難しい
- 電子機器と向き合う時間を増やしてしまう
- “参加しているだけ”で止まりやすい
マッチしやすい状況
- 他の支援との併用を考えているケース。親としての危機感が薄いケース。
うちの子にはどの支援?支援選びの判断要素
外に出られるか
→ 外出のハードルが高いければ、訪問支援への接続が現実的です。あるいは。思い切って全寮制フリースクールの利用も良いでしょう。
同年代との交流があるか
→ 全く同い年でなくとも、同年代との交流は大切な要素です。この交流が無いのであれば、集団行動を伴う支援が好ましいでしょう。
家庭機能が失われていないか
→親子での会話をはじめとしたコミュニケーションや、社会教育といった家庭機能は必須要素です。これに問題がある場合は、親子関係にも切り込むような支援が必要です。
親として何をすればよいか分からない
→不登校と向き合う上で、親の「分からない」を解消することは重要です。そんな場合は、不登校解決に長けた支援に相談してみましょう。
判断のポイント【ハードルを下げることだけで選ばない】
親心としては、不登校支援を探すときどうしても
「とにかく負担の少ないものを」
「本人が嫌がらないものを」
と考えたくなります。
自然なことですし、もちろんそれも大切です。
ただ一方で、ハードルを下げるということの反作用も考えなくてはいけません。
ハードルとなる要素を言い換えるとするならば、それは”現状を変えるための刺激”です。
当然オンラインスクールのようにハードルが低ければ、それだけ刺激は弱まります。
あくまで重要なのは「子どもの人生」です。
刺激が弱い分、復帰に時間がかかる。これはそれだけ「子どもの日常」を失うというリスクを秘めています。
ハードルをどこまで下げるのか、あとは本人が飛び越えなくてはいけないハードルなのか、この考え方が大切です。
また不登校という日常の積み重ねは、親子ともに疲弊を招くリスクがあります。これは状況を深刻化させてしまいます。
だからこそ支援選びでは、
「今の負担を減らせるか」だけでなく、
「この支援の先に、学業復帰や社会接続の可能性があるか」
を見ることが重要です。

