トントンコラム「不登校と悩めるゲーム依存」

 不登校とゲーム依存というのは相性抜群です。昨今はゲームだけではなく、YouTubeをはじめとする動画配信サービスやSNSとべったりな不登校のお子さんを多くお見受けします。

  ゲームといえば、10年ほど前でしょうかゲーム脳という言葉が話題になりました。その当時から現代まで、子育てをする保護者様にとってゲームという存在はまるで仮想敵です。一方で、スマホやゲームデバイスを持つのは半ば当たり前の時代。買い与えたくはないと思っていても、それを突き通すことは現実問題難しいものです。

 良しとは思わないものの買い与える他ない。このある種矛盾ともいえる状況が、事態を不透明にしているように思えます。と言いますのも、不登校の元凶はゲームやSNS依存だと一刀両断してしまうことは非常にリスクだからです。
 仮にゲームを元凶と断定しましょう。ではそこから、現状を変えるためにどのような対応を取りますか。多くの保護者様はデバイスに制限を課します。ですが子どもの適応力というのは時に難儀なもの。制限をあの手この手で突破してしまうのです。こうなるとその先はいたちごっこ。最終的に、保護者様には内緒でデバイスを購入していたというケースもこれまでに数件ご相談がありました。

 さて、ではどのように対処をすれば良いのか。まずは、どうして依存行動に及ぶのかという分析が重要です。つまるところ、ゲーム没頭へのトリガーが何か考えてみてください。不登校のお子さんの多くは、学校へ行けていないという不安感を紛らわしたいという心情や、他者とのコミュニケーションを求める気持ちがゲーム依存へのトリガーとなっています。このトリガーにアプローチしない限り、ゲームという依存を抜け出しても他の逃避行動を招くのみです。

 ただし、このトリガーの分析とアプローチというのがまた難儀なものですね。特に不登校のお子さんというのは多感で繊細ですから、トリガーとして抱えている内容をなかなか素直には打ち明けてくれません。自身のなかで後ろめたいや恥ずかしいと感じている内容であればなおさらです。時には虚勢から、心にもない言葉を発することで、親でさえもその子が何を考えているのか理解が出来なくなります。
 いずれにしても、まずは冷静な視点で子どもと向き合うことです。できればゲームの依存性とは別のトリガーをひとつでも推察できると良いですね。そこで見えてきたトリガーをもとに、ココロの隙間を満たしてあげる方法や環境を考えてみましょう。ルーティンや環境の整備が進む中で、デバイスとの適切な距離感を保てるチャンスが見えてきます。この手順で向き合うことができれば、無理なデバイス没収や制限を強引に取り入れる手法に頼らずに済むでしょう。はじめのうちは変化が見えづらく、親御様のなかで焦燥感等があるかもしれませんが、変化が見えてくるはずだという期待感を持つことが重要です。

 ただし注意しなくてはいけないポイントもあります。それは、ただの傍観/放任になってはいけないということです。これは俗にいう「見守りましょう」というアドバイスを受けての解釈にも言えますが、ただの傍観になっていては、事態の好転はまずあり得ません。ここまで状況の分析とトリガーへのアプローチが重要だと説いてきましたように、それらがなされなければ、デバイスが持つ引力も合わさってむしろ事態は深みへとハマっていくでしょう。
 親御様の立場からすれば、ここがまた難しい要素でしょう。どう状況を捉えてどうアプローチをしていくべきか、今の状況が傍観/放任になってはいないか、テーマの渦中に位置している親御様からするとこれらの判別がなかなか正常には働きません。

 ではどうするか。答えは意外とシンプルです。第三者に悩みを打ち明けて助言を受ける。ほんのこれだけで光が差し込み、事態改善への道筋が見えてくるものです。子育てに悩みがあることは、なんら恥ずかしいことではありません。特にデバイスが身近になった昨今の環境は、親御様自身の育てられた環境とは全く異なりますし、その環境下での子育てとなれば悩みや疑問を抱えることは至極当然です。相談することに負い目を感じる必要はありません。むしろ専門家を頼りにするべきとすら思います。何かお困りごとがございましたら、私たちココロノトントンがお力になります。

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